この記事の要約
医療行為(医療レーザーや医療ハイフ等)に看護師が関わる前提が「医師の指示」です。看護師の業務は療養上の世話と診療の補助に分かれ、診療の補助は医師の指示を受けることが正当な業務の要件とされています(保健師助産師看護師法)。指示には具体的・個別的なものと、包括的なものがあり、包括的指示でも標準的プロトコールなどの文書で示すのが望ましいとされています。なお、CL.hubが扱うクリニカルマシンは医療機器に該当しない(エステ向け)ため、その施術は医療行為ではなく、医師の指示は前提になりません。大切なのは、医療行為に当たるかどうかの区分を正しく押さえることです。
- 診療の補助は、医師の指示が正当業務の要件(保助看法)
- 指示には具体的指示と包括的指示があり、包括的でも直ちに違反ではない
- 包括的指示は、標準的プロトコール等の文書で示すのが望ましい
- 形式でなく実態としての管理が重要。医師側にも管理責任がある
目次

1. 「医師の指示」が必要な理由
これから、なぜ医師の指示が必要なのかを解説します。
- 1-1. 診療の補助と医師の指示
- 1-2. 医療行為かどうかで決まる
1-1. 診療の補助と医師の指示
看護師の業務は、療養上の世話と診療の補助の2つに大きく分かれます。
このうち診療の補助については、医師の指示を受けることが正当な業務の要件とされています。保健師助産師看護師法第37条は、医師の指示がある場合を除いて、看護師が診療機械を使ったり医薬品を扱ったりすることを認めていません。医師の指示は、看護師が医療行為に関わるための土台なんですね。
普段の現場では当たり前に受けている指示ですが、その法的な意味まで意識する機会は少ないかもしれません。ここを理解しておくと、独立や導入のときに迷いません。
診療の補助には医師の指示が要る、というのが出発点です。
1-2. 医療行為かどうかで決まる
この前提が当てはまるのは、医療行為に当たる施術です。
レーザーやHIFUなど医療行為に当たる施術を看護師が行う場合は、医師の指示が前提になります。一方、CL.hubが扱うクリニカルマシンは医療機器に該当しない(エステ向け)ため、その施術は医療行為ではなく、医師の指示は前提になりません。だからこそ、導入する機器が医療行為に当たるか(医療機器か非医療機器か)の区分を、先に確認することが大切です。
美容だから特別、ということはありません。医療行為であれば、医療の現場と同じルールが働きます。
医療行為に当たる機器なら医師の指示が前提、非医療機器のクリニカルマシンは対象外、と押さえましょう。
2. 具体的指示と包括的指示
これから、指示の2つの種類について解説します。
- 2-1. 2種類の指示の違い
- 2-2. 包括的指示は文書で示す

2-1. 2種類の指示の違い
医師の指示には、具体的・個別的な指示と、包括的な指示があります。
指示は具体的かつ個別的になされるのが望ましいとされますが、すべての場面で個別の指示を求めるのは現実的ではありません。保助看法は指示の程度までは定めていないため、一般的・包括的な指示に基づく診療の補助であっても、直ちに第37条に違反するわけではない、と考えられています。
毎回こと細かに指示をもらわないと違法、というわけではないんですね。ここを知っておくと、現実的な体制を組みやすくなります。
指示には具体的なものと包括的なものがある、とまず理解しましょう。
2-2. 包括的指示は文書で示す
包括的指示で運用するなら、文書で示しておくのが望ましいとされています。
医師と看護師の間で指示内容の認識にズレが生じないよう、標準的プロトコール(具体的な処置や判断の基準を整理した文書)やクリティカルパスといった形で、指示を文書化しておくのが望ましいと整理されています。文書があれば、何をどこまで行ってよいかが明確になり、双方が安心して運用できます。
口頭の指示だけだと、後で言った言わないになりがちです。文書にしておくことは、看護師自身を守ることにもつながります。
包括的指示は、プロトコール等の文書で示しておくと安心です。
3. 形式だけでは足りない
これから、形式だけでは足りない理由を解説します。
- 3-1. 実態として管理が機能しているか
- 3-2. 医師側の管理責任
3-1. 実態として管理が機能しているか
大切なのは、実態として医師の指示・管理が機能していることです。
書面上は連携していることになっていても、実際には医師がまったく関与していない、という状態はリスクが高いと言えます。指示は、対象や方法、注意点について医師の医学的な判断が実際に働いていてこそ意味を持ちます。形だけ整えれば良い、という発想は避けたいところです。
名ばかりの連携は、いざというときに自分を守ってくれません。中身のある関係を、時間をかけてでも築いておきたいですね。
形式ではなく、実態として管理が機能しているかが問われます。
3-2. 医師側の管理責任
責任を負うのは看護師だけではなく、医師の側にも管理責任があります。
厚生労働省の通知では、医師は看護師が違法行為を行うような状況を作り出してはならない、という趣旨が示されました。指示を出す医師にも、体制を適切に管理する役割が求められているということです。これは看護師にとって、二人三脚で運用していく相手だと確認できる、心強い整理でもあります。
責任を一人で抱え込む必要はありません。医師と分担し合える関係かどうかが、長く続けられるかを左右します。
指示は医師の責任でもある、という前提で連携を組みましょう。
4. 運用で押さえるポイント
これから、運用で押さえたいポイントを解説します。
- 4-1. 指示・確認のプロセスを明確に
- 4-2. 医師・専門家と体制を整える
4-1. 指示・確認のプロセスを明確に
運用では、指示と確認のプロセスを明確にしておきます。
どの施術について、誰が、どのように指示・確認を行うのか。プロトコールや記録の形で見える化しておくと、認識のズレや抜け漏れを防げます。とくに包括的指示で運用する場合は、判断基準を文書で共有しておくことが、安全な運用の支えになります。
忙しいとプロセスが曖昧になりがちですが、そこが緩むとリスクが生まれます。仕組みとして整えておけば、日々の判断が楽になります。
指示・確認のプロセスを仕組み化することが、安全な運用の土台です。
4-2. 医師・専門家と体制を整える
最後に、医師や専門家と相談しながら体制を整えます。
どの程度の指示が必要か、どんな文書を用意すべきかは、施術内容や体制によって変わります。連携先の医師と運用を具体的に詰め、必要に応じて弁護士などの専門家にも確認しておくと安心です。自己判断で進めず、関係者と一緒に体制をつくることが、結果的にいちばんの近道になります。
一人で完璧な体制を作ろうとすると、迷って動けなくなります。医師や専門家の力を借りて、現実的な形に落とし込みましょう。
医師・専門家と一緒に体制を整えれば、医師の指示も無理なく運用できます。

CL.hubが取り扱うクリニカルマシンについて
本記事で解説した医療レーザーや医療ハイフなど「医療行為」に当たる施術は、医師の指示・管理のもとで行う必要があります。一方、CL.hubが取り扱うクリニカルマシンは、医療機器に該当しないエステ向けの区分であり、医師の関与なく導入・使用いただけます。
※施術内容によっては医療行為に当たる場合があります。導入時は区分について個別にご確認ください。
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よくある質問(Q&A)
Q1. 医師の指示は毎回、施術ごとに必要ですか?
具体的・個別的な指示が望ましいとされますが、一般的・包括的な指示に基づく診療の補助であっても、直ちに違反になるわけではないと考えられています。包括的指示の場合は、プロトコール等の文書で示すのが望ましいとされています。
Q2. 医師が常駐していれば問題ないですか?
常駐の有無だけでなく、実態として医師の指示・管理が機能しているかが問われます。形式だけで適法と判断するのは避け、運用が伴っているかを確認しましょう。
Q3. 指示は書面で残すべきですか?
とくに包括的指示で運用する場合は、標準的プロトコールなどの文書で示しておくと、認識のズレを防げて安心です。必要な様式は施術内容や体制によって異なるため、医師や専門家に確認しましょう。
※本記事は一般的な法令の考え方を整理したものであり、法的判断は専門家確認を前提とします。特定の体制の適法性や効果を保証するものではありません。

