この記事の要約
クリニカルマシンの消耗品は、1施術あたりの利益を左右する変動費です。チップやジェル、専用液は原則として純正品を使うことが多く、定期的な交換コストがかかります。1ショットあたりは数十銭から1円台、全身など多ショットの施術では数百円から数千円規模になることも。使い捨て品やリネン、機器の保守費まで含めて、1施術あたりの原価を組み立てます。サロン経営者の多くがランニングコストを重く感じており、ここを正確に把握することが、回収計算と価格設定の精度を上げます。
- 消耗品は1施術あたりの利益に直結する変動費
- 純正品が原則。1ショット数十銭〜1円台、多ショットでは数百〜数千円規模も
- 使い捨て・リネン・保守費まで原価に含める
- 把握した原価を回収計算と価格設定に反映する
目次

1. 消耗品は利益を左右する変動費
これから、消耗品がなぜ重要なのかを解説します。
- 1-1. どんなものが消耗品にあたるか
- 1-2. 多くの経営者が重く感じるコスト
1-1. どんなものが消耗品にあたるか
消耗品とは、施術するたびに減っていく材料のことです。
チップやカートリッジ、ジェル、専用液などが代表的で、これらは施術ごとに消費されます。さらに、施術効果の中心となる専用液は、メーカー指定の純正品を使うことが前提になっている機器も多くあります。1施術ごとにかかる費用なので、変動費として利益から差し引かれていきます。
本体価格にばかり目が行きがちですが、毎日の施術で静かに出ていくのが消耗品費です。ここを把握できているかで、利益の見え方が変わります。
まずは、自院の施術で何が消耗品にあたるかを書き出してみましょう。
1-2. 多くの経営者が重く感じるコスト
消耗品は、多くの経営者が重く感じているコストです。
あるサロンの調査では、経営者の8割がランニングコストを高いと感じている、という結果もあります。導入時は本体価格に意識が向きますが、運用が始まると、毎月のように出ていく消耗品費がじわじわ効いてきます。だからこそ、導入前にこのコストを見込んでおくことが大切です。
始めてみたら思ったより利益が残らない、という声の裏には、消耗品の見積もり不足が隠れていることがあります。先に知っておけば、慌てずに済みます。
消耗品は軽視されがちですが、利益を守るうえで欠かせない視点です。
2. 1施術あたりの原価を組み立てる
これから、1施術あたりの原価の組み立て方を解説します。
- 2-1. 単価×使用量で出す
- 2-2. 純正品が原則という前提

2-1. 単価×使用量で出す
1施術あたりの消耗品費は、単価×使用量で出します。
たとえばショット式の機器なら、1ショットあたり数十銭から1円台というケースがあり、全身など多くのショットを打つ施術では、数百円から数千円規模になることもあります。ジェルなら内容量と1回の使用量から、1施術あたりの金額を算出します。施術メニューごとに、この原価を具体的な金額で出しておきます。
1ショットは数十銭でも、施術全体では積み重なって大きくなります。小さい単位の数字こそ、きちんと積み上げて把握したいですね。
メニューごとに、単価×使用量で消耗品費を出しておきましょう。
2-2. 純正品が原則という前提
消耗品は、純正品の使用が原則という前提を押さえます。
多くの機器では、効果や安全性のためにメーカー指定の純正品を使うことが求められます。安い非純正品に置き換えれば原価は下がりますが、保証の対象外になったり、トラブルにつながったりするリスクがあります。原価を計算するときは、純正品を使う前提の単価で見積もるのが現実的です。
目先のコストを下げたくて非純正に手を出すと、後で大きな代償を払うことも。安さの裏にあるリスクまで見ておきたいところです。
純正品前提の単価で原価を組むのが、安全で現実的です。
3. 見落としがちなコスト
これから、見落としがちなコストを解説します。
- 3-1. 使い捨て・リネン・周辺資材
- 3-2. 保守・メンテナンスも織り込む
3-1. 使い捨て・リネン・周辺資材
消耗品は、専用品だけではありません。
お客様に使う使い捨ての備品、リネンやタオル、拭き取り用の資材なども、1施術ごとにかかるランニングコストです。これらは1つずつは小さくても、件数が増えるとまとまった金額になります。専用の消耗品だけを数えて、周辺の資材を忘れると、原価を過小に見積もってしまいます。
タオル1枚、と思うと見落としがち。でも年間で見ると、無視できない金額になっていることがあります。
専用品に加えて、周辺資材まで原価に含めて数えましょう。
3-2. 保守・メンテナンスも織り込む
保守やメンテナンスの費用も、運用コストとして織り込みます。
定期点検や保守契約の費用は、消耗品とは別ですが、機器を使い続けるために必要なコストです。厳密には1施術あたりの変動費ではありませんが、月あたりの運用コストとして見込んでおくと、利益の見通しが正確になります。本体・消耗品・保守をまとめて、月の運用コストとして捉えます。
消耗品だけ見て安心していると、保守費の請求で計画が狂うことがあります。運用にかかるお金は、まとめて見ておくのが安全です。
保守・メンテナンスも、運用コストとして計画に入れておきましょう。
4. 回収・価格にどう反映するか
これから、把握した原価を回収と価格にどう反映するかを解説します。
- 4-1. 回収計算に織り込む
- 4-2. 価格設定にも反映する
4-1. 回収計算に織り込む
消耗品費は、回収月数の計算に必ず織り込みます。
回収月数は、総導入コストを1施術あたりの利益と想定月間施術数で割って求めます。この1施術あたりの利益は、施術単価から消耗品費を引いた額です。消耗品を甘く見積もると利益が大きく見え、回収が実際より早く見えてしまいます。正確な消耗品費が、正確な回収見通しの前提になります。
回収計算の分母に効いてくるのが消耗品費です。ここがいい加減だと、計算全体が信頼できなくなります。
消耗品費を織り込んで、回収計算の精度を上げましょう。
4-2. 価格設定にも反映する
消耗品費は、メニューの価格設定にも反映します。
1施術あたりの消耗品費が分かれば、原価率(変動費÷売上)が出せます。原価率を踏まえて、確保したい利益が残る価格になっているかを確認します。消耗品費の高いメニューは、それに見合った単価を設定しないと、利益が残りません。原価を起点に価格を組むことで、頑張っても残らないという事態を防げます。
消耗品費を知らずに価格を決めると、知らないうちに薄利になっていることがあります。原価から逆算する習慣が、利益を守ります。
消耗品費は、回収計算と価格設定の両方に反映させましょう。具体的な試算は、回収計画や運用体制とあわせて行ってください。

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よくある質問(Q&A)
Q1. 消耗品費はどのくらい見ておくべきですか?
機種やメニューで大きく異なります。ショット式なら1ショット数十銭〜1円台、多ショットの施術では数百〜数千円規模になることもあります。メーカーに単価と使用量を確認し、1施術あたりの原価として算出してください。
Q2. 非純正の消耗品で原価を下げてもいいですか?
多くの機器では純正品の使用が原則です。非純正に置き換えると、保証対象外やトラブルのリスクがあります。原価は純正品前提で見積もるのが安全です。
Q3. 消耗品が値上がりすることはありますか?
供給状況により変動する可能性があります。入手性や供給の継続性も含めて、導入前にメーカーへ確認しておきましょう。
※本記事は一般的な考え方を整理したものであり、法的・医療的な判断は専門家確認を前提とします。数値は目安であり、特定の効果・結果を保証するものではありません。

